まるマ

□a reason of the silence
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ユーリはグリエの死を受け入られずに、あらゆる理屈をこね回した。自分が一番納得出来る、安心出来る現実を、無理やりでっち上げた。

俺は考える事を止めて、素直にそれに騙されてしまえば良かったのかもしれない。しかしグリエ・ヨザックは、兵士として最高に美しく散った。ユーリを守る為に。それを無かった事にしたとして、彼はもう戻って来ない。ただ彼を侮辱するだけだ。だからこそ誰よりも、ユーリに彼の死を受け入れて欲しかった。

そう言い訳をして、俺はユーリの現実をことごとく砕いていった。


ユーリと言葉を交わせば交わす程、身を裂くような現実が重みを増した。


























グリエ・ヨザックは、死んだ。

もしも、仮に、万が一、グリエの死を認めない事が許されるなら、俺は喜んでそのトピックに耳を塞ぐ。けれどもそれは紛れもない事実で、俺は現実を受け入れる他なかった。








「少しは泣いた?」









そんな事、答えられるわけないでしょう。



fin.






引用:
「少しは泣いた?」(「砂はマのつく途の先!」より)

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