BASARA 佐幸佐 SS

□あなたと熱帯夜。
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ふぅ。
いいお湯でした。

俺が髪を拭き拭き廊下をいくと、旦那とはち合わせた。

「戻っていたのか、佐助」

はい。任務無事完了です。

「んー。さくっと帰ってきました」

旦那がじーっと俺の顔を見つめる。

「何?」

旦那の口の端がにっと上がった。
日頃可愛いだけに、黒っぽくなると男前度が上がる。
思わずドキリとするじゃないか。

「…それは、某を誘っているのか?」

はあ?!!
ドキリがドッキドキに変わる。

「な、な、何が?」

思わず手拭いを落としちゃったじゃないか。
拾おうと身を屈めたら、上から声がする。

「主に会う前に身を清めて来るとは、いい心がけだな」

え、いや、違う!
慌てて旦那を見上げる。

「今回、大将から受けたやつでさ!大将に報告いってきたわけよ」

腕を組み、ふんふんと頷いてる。
わかってる?

「んでね。あまりに俺が汚いからって、風呂入って行けって言われてさ。ま、ありがたくね…」

ほぉ、っとわざとらしい感な態度されてもねえ。

「某も汗を流してくる。部屋で待っていろ、佐助」

え、いや…。

「背中流しましょうか?」

世話係としては、一応言わなければ。
だけど…。

「そう、焦るな。風呂でいたしては、人目があろうに」

誰が風呂場覗くのーー!
って、その人目を排除すんのが俺様の役目なんですけど。
いや!違うだろう!
いたさないってば!
だ、旦那!
そんな、スキップして立ち去るな!
おおーーい!

どしよ。
床に突っ伏して、妄想広げたら、やばいことに。

さ、誘っちゃうよ?
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