BASARA 佐幸佐 SS

□ハートをKnock!
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≪ハートをKnock!≫


「旦那、俺様、今日、なんか具合悪いわ。鍛錬休んでいい?」
「だめだ」
即答ですか…。

道場へと続く長い廊下を旦那のお供でとぼとぼ付いていった。
なんか最近、調子が悪いんだよねえ。
旦那の足が止まったのに気が付かなくて、後ろから背中にぶつかった。
「おっと、ごめ…」
旦那がくるりと振り返った。
「いかが致した?佐助」
旦那と目が合って…。

「うっ」

また発作が起きた。
かあっと頭に血が上る。
高熱だ。
どくんどくんと心臓が脈打つ。
心臓発作だ。
息がしにくい。はぁはぁはぁ。
呼吸困難だ。

やばいな、俺様…。

「まあ、いい」

まあ、いいって…。
心配しろって…。

苦しい胸を押さえながら、足を引き摺り引き摺り、旦那の後を追う。
あ、少し和らいだかな…。

「そうだ、佐助」
また旦那が止まった。
うおっと!
今度はぶつからないように、うまく避けて…。

あぶね!

足がもつれて転びそうになり、思わず旦那に手を伸ばし…。

う、だめだ!

急に手先が痺れて、旦那に触れようとした手が固まって、なんか、思わず手を引っ込めて…。

変なバランスで足と手が絡まって…。

ずでん!!

転びました……。

「いってー!」

「…何を一人で暴れておるのだ…。うっとおしい」

はうあ!

「だから、具合悪いんだって!」

廊下に尻をついたまま、はぁ…と天を仰いだ。
ほんっと。
変な感じっ。

旦那がへたり込む俺を上から覗き込んだ。

「どこが悪いのだ?」

「頭痛い、歯が痛い、鼻がツンとする、目がチカチカする、喉が痛い、舌が渇く、息ができない、手足が痺れる、腰が痛い、おなかが痛い…」

旦那が腕組みしてため息ついて、
「一番重症なのはどこだ?」
と聞いたので、
心臓を押えた。

「今も動悸が激しくなってきた。たまに死にそうに苦しくなるんだ…。俺様、病気かな…」

旦那も俺の真似して自分の心臓の上に手を置いた。

「某も、たまに痛むぞ。だが、慣れた」
…慣れるもんなんだ?

「慣れるしかなかろう?……佐助は常に某の側にいるのだから…」

え?え?
何それ?
旦那が顔を赤らめて、ぷいっと横を向いた。

そんな仕草にまた心臓が飛び跳ねた。
い、いや、まさか…。
俺様だって、まさか、まさかとは思っていたよ…。
こ、これって…。
そのつまり…。

「特効薬もあるのだぞ?」
ほ、欲しい!

旦那が俺の手を取った。
ぎゅっと握りしめてくる。
どきっ!

お、俺様…もしかして…こ、…こ、これは……。

「おぬしの病気は『欲求不満』だ、佐助!」

ずり…。

「特効薬は『鍛錬』のみだ!行くぞ!佐助!」

「…はい…」

どれ…。
発散してきますか、ねえ?



〜おしまい〜



おまけ↓

「あーー!そうか!」
旦那が声を上げた。
「なによ?」
「よくよく考えたら、佐助も某と同じ病なのだから、互いで欲求をぶつけ合って帳消しにいたせばいいのではないか?!」
「ぶっ!」



だから、それを恋って呼ぶんだぜ☆




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相互記念に、『Cochineal』の時雨様に捧げます。『幸佐ほのぼの』とのリクでしたが…。おばかな二人になってしまいました…。ヽ(´Д`;)ノアゥア...
ふふふふふふ…。
そんな私がリク返しをしたのが…「М佐助」なんてお題のはずがない…ないよね?!w
これからもよろしくお願いします^^

≪志摩≫

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