BASARA 佐幸佐 SS

□サンクチュアリ
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べっとりと手に零れた白いそれを木の幹に擦り付けた。

こんな遥か遠くで、独り寂しく、旦那を想うわけですよ…。

腰帯をぎゅっと締め直した。

バカみたいなんだよ…。
ほんと、マジ、バカみたいなんだよ、俺様…。

もう結構、どうしようも無いくらいまで来ちゃってる。

梢にとまり、月を仰いでも、浮かぶのは旦那の面影ばかり。

飯食ってるかな…。
腹出してないかな…。
殴られ傷増えてないかな…。
館の修理、大丈夫かな…。


俺様のこと…考えてるかな…。


ああ!
やばいって!

どしたらいいんだ、これ!

俺…(気力を振り絞ってあえて)俺様!
どうしたいんだよ、俺様…。

ああ…。

あんたに惚れた自覚持った俺様は、遠く離れた場所ならば涙を流す。

好きだよ、旦那。
たぶん、伝えることなど、死ぬまで無いだろうけど、…好きだよ、旦那。

告げたら驚く。うん。
んで、鉄拳食らうな(笑)
んで…。
んで…。



側に居させてください…。



俺の傷を見つけて、鴉が突く。
お前、旦那になにか伝えてくれるの?

鴉を撫でると、薄情にもそいつは、すっと姿を消した。

俺の喉につっかえた言葉を、この想いを…どうか…。



純真無垢な、あなたに。
俺の汚れた想いが、届きませんように。




〜佐助!頑張れ!〜


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