*BL Original novel・2*
□俺のものは俺のもの
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*「ボイスん。」と「駐在さん」のコラボパロディになります。
なななんと!学園パロでwww
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俺のものは俺のもの
昼休みの放送室。
放送部の当番になっていた僕は、菓子パンを齧りながら、CDをセットした。
後輩の住吉くんがマイクを指差すので、慌てて口の中のパンを飲み込んだ。
『みなさんこんにちは!お昼の校内放送の時間です。今日のリクエスト曲は……』
ふう。
曲が流れる間に残りのパンを齧り尽くそう。
……と、ほっと息をついた時だった。
ドカドカと廊下を走る足音、ガラリッ!と勢いよく開けられた放送室のドア。
放送中、って看板出してあるのに…。
「おい!今しゃべったのはどいつだ!!」
開かれたドアに仁王立ちしている長身にいきなり怒鳴りつけられた。
「せ、生徒会長の…宮元先輩っすよ…」
住吉くんもたじろいでる。
「あ、ぼ、僕ですが、何か?」
鬼の形相のような生徒会長に、ビビりながらもどうにか正面に向かい合った。
じりじりと生徒会長が近付いてくる。
思わず…僕も後ろに下がり…って、この狭い放送室、逃げ場がない!
僕の背中は放送機材のテーブルに当たった。
「お前、名前は?!」
聞こえてるって言うのに、何でそんな大声出すんだ!
こ、怖い…。
「2−Aの木月真理です…」
生徒会長が、僕をジロジロ眺めまわす。
な、なんだ……?
「そうか…お前が…」
住吉くんを窺うと、わからない、っていうふうに首を振った。
「ずっと、スピーカーから聞こえてくる声の主を探してた…。やっと、やっと見つけた…」
へ?
「決めた!今日からお前は俺のものだ!」
がーん!
頭を殴られたようなショックが駆け抜けた。
何を言ってるんだ、この人は?!
「そういうことで、じゃあ、またな」
嵐のように現れて、嵐のように去って行った生徒会長に、しばし呆然と立ち尽くす。
「あーーー!先輩!マイクのスイッチがオンになってるっす!」
「げっ!」
慌ててスイッチを消すが、その瞬間、校舎内のあちこちからどよめきが沸き起こった。
げげげ…。
「今の……」
「放送されちゃったみたいっすね…」
があん…。
へなへなと座り込む僕の手の中で、食べかけのパンが潰れてた…。
「大丈夫っすよ。生徒会長とマリ先輩ならお似合いっすよ」
わけのわからない慰めを住吉くんが寄こしてくれた…。