*BL Original novel・2*
□気になる人ができました
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気になる人ができました。
って、今までは、他人をそんな気にしてなかった、っていう感じだったかもしれないから、何て言ったらいいのかわからない。
ずばり…ありていに言えば…
好きな人ができました、か?!
い、いや!
そんなんじゃない!
そんなの相手に失礼だ!ってか、迷惑だってか、違うから!!
「おーい、功也。帰りなんか食って帰る?」
悪友に肩を叩かれ、
「わっ、わーー!!」
とか声を上げながら、慌ててパソコンの画面を閉じた。
「ん?エロ画像でも見てたのか?」
図書館のパソコンを借りて、んなもん見るか!
って、図書館だった…。
騒がしくした俺は、四方八方から睨まれる。
「悪ぃ。今日は用事があって…。先帰るわ。あ、ほ、ほら。参考書とか欲しいから…」
居心地が悪くなった俺は、席を立ちあがった。
聞かれもしない言い訳を付けるのは、やましいことがあるからだ。
テスト週間中に遊びに行くわけじゃない、という言い訳だと捉えてくれ…。
なぜか、こそこそと図書館を飛び出した。
なんか、ぼんやりしてて、キーボードに、ある人の名前なんか打ち込んだりしてたんだ。
ググったからって、ストーカーになるわけじゃないよな…とか、検索に引っ掛かった名前を開いてみたりした。
その人が居た。
心臓が跳ね上がった。
あ、ほら。役者?劇団員?てのやってるらしいから、どっかに紹介とかされてるんじゃないかなーって、そんな軽い気持ちで検索したんだ。
『木月真理』
って…。
声優じゃん?!
うちの兄貴もそんな関連の仕事してるはず。兄貴の知り合い…とかはありえないか。病院に、兄貴も来たから、知り合いだったらだったで、そんときなんか言ったはずだしな。
あの世界も広いんだな…。
出てきた仕事内容っていうの?関連商品っての?聞き慣れない言葉に、やたらと検索を繰り返す。
『ボーイズラブ』ってなんだ?
『ドラマCD』ってなんだ?
調べるにつれて、沸騰してきた頭で、元の画面に戻り、商品名をドキドキしながらメモった。
欲しい…。
聞きたい…。
あの人の声を…手に入れたい…。