*BL Original novel・4*
□Kiss☆Diary
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『Kiss☆Diary』@
お星様の下の箱の中じゃ、寒くて凍えてガタガタ震えていた。
だけど、いつの間にかウトウトしかけたら、寒さも気にならなくなってきた。
コクンコクンと頭が揺れる。ガクン、と膝が折れてペシャリと潰れて眠りに落ちようとした瞬間、フワリと宙に浮かび上がった。
「どうした?こんなとこで?んー?」
慣れない匂いと生暖かい触感に、身体中の毛が逆立った。
「ニャウッ!」
必死の思いでもがいた手の先が何かを掠めた。
「…大丈夫だよ…。怖くない、怖くない…」
ふわあっと生暖かい風が僕の顔を包んだ。
恐る恐る目を開けると、目玉が二つ僕を見ていた。
不意に不安になって周りを見渡したけど、この目玉みたいに僕を優しく見ていてくれたお母さんと、一緒に居たはずの兄弟の姿はやっぱり見えない。
「拾ってください…って顔してるな、お前」
僕は、舌を懸命に伸ばして、そいつの顔をペロリと舐めた。僕の爪が当たった場所からは、少し野蛮な味がした。
「お前によく似た俺の恋人に会わせてやろうか?」
今度は体ごとポカポカした温もりに包まれた。お母さんにくっついたときと同じ暖かさだ。
「悠也っていうんだよ。絶対、お前のこと、気に入ると思うな…」
耳に聞こえる声は何を言っているか意味がわからないけれど…。
とても幸せそうだった。
きっと、「コイビト」ってやつは、あったかいんだな…。
(次ページそのAへ続く)