BASARA 佐幸佐 SS

□サンクチュアリ
2ページ/2ページ

くっしゅん!!

どこかで誰かが某のことを噂している…。

風邪ひくよ?なんて、羽織を掛けてくれるあいつは、今は横に居ない。

だけど、某の噂をしているのは、きっと佐助。
鴉相手にぶつぶつ言っているに違いない。

月がきれいだぞ、佐助。
どこかで見ておるか?

いや、月明かりに照らし出されては、忍びとしていかがなものか?
ああ、でも、きっと。
あいつのことだ。
どこかの木の上で、ぼんやりと眺めているかもしれないな。


物言いた気なその口から、伝えられる言葉を待っている。

互いに不器用過ぎて、どうにもならない。

どうにも…

どうにもならぬのか、くそ!

どかりと座り込み、頬杖をついてため息を溢す。


離れた途端、寂しくて、
素直になって、想いが募って、
だんだん腹立たしくなって、怒りに変わり、
悲しくなる前に、佐助は戻ってくる。

だから思わず拳が出る。

佐助。

佐助。

遠く遠く、
この想いを…どうか…伝えて…。






〜だから、佐助!頑張れ!〜


SSページTOPへ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ