BASARA 佐幸佐 SS
□サンクチュアリ
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くっしゅん!!
どこかで誰かが某のことを噂している…。
風邪ひくよ?なんて、羽織を掛けてくれるあいつは、今は横に居ない。
だけど、某の噂をしているのは、きっと佐助。
鴉相手にぶつぶつ言っているに違いない。
月がきれいだぞ、佐助。
どこかで見ておるか?
いや、月明かりに照らし出されては、忍びとしていかがなものか?
ああ、でも、きっと。
あいつのことだ。
どこかの木の上で、ぼんやりと眺めているかもしれないな。
物言いた気なその口から、伝えられる言葉を待っている。
互いに不器用過ぎて、どうにもならない。
どうにも…
どうにもならぬのか、くそ!
どかりと座り込み、頬杖をついてため息を溢す。
離れた途端、寂しくて、
素直になって、想いが募って、
だんだん腹立たしくなって、怒りに変わり、
悲しくなる前に、佐助は戻ってくる。
だから思わず拳が出る。
佐助。
佐助。
遠く遠く、
この想いを…どうか…伝えて…。
〜だから、佐助!頑張れ!〜
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