*BL Original novel・1*

□ボイスん。アタックB
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オーディションのスタジオには、宮元さんも高岡さんも居なかった。

当たり前か。受ける役が違うんだろう。しかもこの人数。時間が違うんだろうな。

三人が同じ役を狙うなんてなったらそれは何だかおもしろい。そんなのもいつかはあったっりして。

宮元さんが『強面オカマ系』をやったりしたら…なんて、思わず浮かんで吹き出した。
部屋の中の数人が怪訝そうな顔でこっちを見た。う、思い出し笑いみたいで、恥ずかしい。

緊張したときに、この手は使えるぞ!
名前を呼ばれ、ブースに入る。
よし!
僕は頑張らなきゃいけない。
憧れの人に近付くんだ。





バイトと、たまの仕事を繰り返すそんな毎日。
すっかり忘れかけていた話を持ち出され、最初は何を言ってるのか分からなかった。

社長直々の電話だ。

電話口でフルフル震えた。

やった!

思わず拳を作る。

「収録は水曜日ね。時間は十時から。スタジオは……」
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