*BL Original novel・1*
□ボイスん。アタックB
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初めてのレギュラーを掴んだ連絡だ。
「マリちゃん、スタジオの場所分からなかったら地図をコピーしてあげるから事務所に来てね。あ、初回は私も行くから一緒に行ってもいいけど」
やったー!!!
家に電話しよう!
友達に知らせよう!
電話を終えると、一人の部屋の中で、ピョンピョン跳ね回った。
毎週エンディングロールに自分の名前が流れちゃったり?
わお!
しかもこのアニメの原作好きなんだよなあ。実は全巻持ってる。
この漫画の……。
僕は本棚の前に座り込み、漫画本を引っつかむ。
おお!
この漫画のこのキャラクターの声は自分なんだ!
わあ、信じられない……。
漫画読んでいるときはそんなこと考えもしなかった!
って、当たり前だ。
もしかして原作者さんも来るのかな? サインもらっちゃおう!
漫画の中に書かれた台詞をちょっと読んでみちゃったりする。
……う。
浮かれた頭に、ドボーンっと石が投げ込まれた。
とたんに湧き上がる緊張の渦。
「自信を持って! うだうだやっちゃだめだぞ!」
緊張を解くおまじないを浮かべる。
宮元さんの顔……。
宮元さん、一緒かな?
褒めてくれるかな?