*BL Original novel・1*
□ボイスん。アタックC
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朝(といっても少し寝坊した…)、携帯をかけると、かなりなコールの後、ようやくその人は電話に出た。
「おはようございます。木月ですが……、寝ていました?」
「……あ、ああ」
寝起きのボーっとした声にどきどきした。
宮元さんの日常の素の声を盗み聞きしたような、そんな感じで。
「今日、養成……じゃないや。アトリエでって約束したんですが、そろそろ家を出ようかと」
「あー。マリのモーニングコールか。いいな、これ」
赤くなってるのが電話では見えなくってよかった。平気で言うんだから、そういうこと。
大きなあくびの後に、
「んじゃ、俺も向かうわ。ゆっくりおいで」
じゃあな、と切れた電話をリュックにしまうと、僕は玄関に向かった。
遅れて怒られるよりは待っているのが後輩の務めです。
家で、うずうずしていても落ち着かないのもあるけど。