*BL Original novel・1*
□ボイスん。アタックD
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オートロックのマンションの入り口でインターフォンで中に入れてもらった。
なんというか……、僕なんかとはえらく違う場所に住んでいるんだなあ。一DKの自分のアパートを思う。
チャイムを押すと、玄関のドアが開けられた。
「こんばんは」
ここまで来て、やたらと緊張が体を包んだ。
「入れ」
「し、失礼します」
ガチゴチになった体でドアの中に入った。
廊下を背を向けて歩く宮元さんが居た。その奥の部屋のドアを開けた。
いつもよりさらにぼさぼさの髪。
Tシャツにパジャマのズボン。
僕は靴を脱ぎ、その後に付いていった。
広めのリビング。
そこのソファーに宮元さんは座った。
ごほごほと咳を数回。
「大丈夫ですか?風邪ですか?薬飲んでますか?」
僕は慌てて、ソファーの宮元さんに近付いた。
しかし、散らかし放題の部屋だな。
「お前、薬持ってきたって言っただろ。くれ」
つらそうに、頭を背もたれに埋めた。
僕は急いで袋から薬を探す。
水もいるよな。
「台所入っていいですか?水を……」
リビングから繋がるキッチンに入った僕の感想。
これまた汚い!
……これぞ男の一人暮らし。