*BL Original novel・1*

□とっておき
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仕方なしに俺は体を起こした。

「マリ、うるさい……ぷっ」

ぎゃーー!と飛びかかって来そうな、マリの表情に笑う。

「いつか死にますよ!この部屋!…掃除します。もう!自分の命かかってるから、掃除します!」

必死に真面目な顔して突っかかってくんのがかわいい…し、おもしろい。

「住み込みで?」

にやりと聞いてやる。

「住み込みじゃなきゃ片付きません!!」

おいで、と手を広げたら、またダッシュで胸に飛び込んで来た。
胸にぐりぐり顔を押しつけてくるところを見るに、まあ、かなり恥ずかしいようだ。

「マ…」

むぐっと口を手の平で押さえつけられた。

「その手には、もう乗りません」

俺の声を塞ぐわけ?
じゃあ、その代わり…。
お前の声を頂くよ?

ぺろりと舌を出して手の平を舐めてやったら、慌てて外されたその手をベッドに押し付けた。

事務所にどうやって言おうとか、バイトどうしようとか、ちょと止めてください、もう…とか。

いいんじゃない?
文句でも何でも、ずっとそうやってしゃべってろ。


可愛すぎて、全部欲しい。


なあ?


だけど、俺にも愛を囁く間合いを与えろ。








〜おしまい〜



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