*学園*

□小動物の飼い方
3ページ/4ページ

「手、貸して」

むーちゃんの低い声が耳元で囁いてきた。
僕の手を握ってくる。

「ここ…触って…」

布団の中で、むーちゃんの体の上に手が導かれた。

!!!

え?!!

僕でも意味がわかる!

これって…。

むーちゃんは健康優良児だし、僕なんかよりずっと大人だし、えっと、あの、えっと…。

「…ごめんね、夕…」

むーちゃんが僕の手に自分の手を重ねて、それをぎゅっと握らせた。

「むーちゃん…あの…」

もう片方の手で、僕の背中をぎゅっと押さえ付けてる。

「夕をね…大事に…したいんだよ…」

そう言いながら、硬直してる僕の手を、ますます強く握ってくる。

「…でもね…最近…我慢できない…」

それって…。

「もう、うざいってこと?」

睨みつけてくるようなむーちゃんの目が怖い。

「ばーか」

バカですよ…。

「好きだよ、夕」

またぎゅうっと体が抱き締められた。

「僕もむーちゃんが好きだよ!」

「…んー?ちょっと違うかな?」

いつものむーちゃんの口調に戻って、優しい目になった。

「何が違うの?」

困った顔して、僕から目を逸らしたむーちゃんの顔に、そーっと顔を近付けた。

「教えて」

そしたら、ふって笑って、僕の頭を引き寄せた。



そして…


キスしてから…


「俺がずっと守るから」

って、ちっちゃい頃みたいに、言ってくれた。




学園TOPへ
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ