*学園*

□俺様と一緒
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はあ…。
空が青いなあ…。

屋上のコンクリートに寝転がり、眠いけど眠れずゴロゴロする。

あーあ。
あー!あー!
……ちくしょう…。

チャイムが鳴ってる。
寝よう…。






バサバサっと顔面に何かが当たった。

「んー?」

寝ころんだ顔の前には菓子パンの袋が落ちていた。

「そいや…腹減った…」

菓子パンを拾い上げ、体を起こすと、目の前に立ちはだかる影が…。

「十以!」

「もう昼だぞ。相変わらずだらしのない…」

にこりともしないで、俺の横に腰を降ろした。
へへっ。
でもうれしいや。

「今日は早速第一回の総会議がある。会長がいなくては締まらないだろうが」

ほいほい。
俺はむしゃむしゃと十以が持ってきてくれた菓子パンを食べながら、にこにこと十以を見詰める。

「はあ…」

溜息をつきながら、十以も菓子パンの袋を開けた。

「…まだ、怒ってる?」

恐る恐る聞けば、

「当たり前だ」

と睨みつけられた。

「…だけど、会長と同室など、皆、心底嫌なようで、俺も行き場がない」

うっそー?!

「…もうあんな事はしないと誓うか?」

渋い顔で応えを言い淀んでいたら、ぱこんっと殴られた。

「む、無理矢理は…しない…と思う…」

はあ…とまた溜息をつきながら、それでも十以はくすりと笑った。

「あんな壁の薄い部屋で騒ぐなんて、俺にはできない。…いつか、ここを出て、もっと大人になったら…」

十以の言葉に、俺はごくりと唾を…いや、餡パンを飲み込んだ。

「それまで、待てるか?」

「は、はい!待ちます!待ちます!俺、一生十以大事にします!一生俺に付いてこいよな!な!十以!!」

抱きつこうとして、また殴られ、

「だから!それをやめろと言っているんだ!」

と怒られた。

「あ!」

「何?」

「俺、会長挨拶で絶対に言おうとしてたこと、しょげてたから忘れてた!しまったあ!」

「…挨拶は全然しょげていなかったと思うが…」

「俺の十以に手を出したらただじゃおかねー!って言おうと…」

「黙れ!」

ばこん!と殴られ、それでも頬が少し赤くなった十以は、やっぱり綺麗だなって思った。

「うっしゃあー!全校生徒が待ちわびていた俺様復活!!十以!俺に付いてこい!」

ガッツポーズを決めた俺に呆れ顔しながら、

「はいはい…。一生ね」

とか言う十以に、ええい!誰も見ちゃいねえ!!抱き付いた。



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