*学園*
□決闘?!
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(書記:持田 視点)
「た、た、大変だ!!決闘だ!!」
まったりした談話室の空気を切り裂くようなニュースが飛び込んできた!
僕はと言えば、僕のテーブルでぐだぐだしているニューカップル?にうだうだお説教をしていた。
こいつらのやる気の無さと言ったら!
ぼさぼさ頭の淑架ちゃんと、並んで座る奈良くん2人して、ぐでーっとテーブルに突っ伏してる。
「いいかい?!付き合うって言ったら、まずはどっちが上下…いや、それじゃあ直接的表現過ぎるかな?どっちが左右になるか決めなくちゃならない…」
と、聞く耳のない2人に向かって講釈垂れていたのだが、そんなことはどうでも…いや、ちょっと横に置いておこうかな?的なビッグニュースが舞い込んできた!!
「だ、誰と誰がですか?!」
飛び上がる様に立ち上がり、声の主に叫び返した。
「会長と九度さんだ!」
談話室がざわめいた。
会長と言えば、俺様…というかガキ大将我儘我が生徒会の会長殿。
んで、九度さんと言えば、強面金髪の、族上がりだ、世界チャンプを狙うボクサーだ、なんだと秘密めいた噂の情報しか集まらない謎の人。我が校では珍しいアウトロー。意外に隠れファンは多い。
この二人が仲が悪い、という情報はすでにメモされていた。
だがしかし?!
決闘というほどになるという情報は掴んでいなかった!
「持田!生徒会の招集命令だ!すぐに来い!」
溝内先輩も飛び込んできた。
「会長のことですね!いったい何があったんですか?!」
目をキラキラさせてこっちを見てる淑架ちゃんをなぜか守る様に現れた鹿淵と、会長、という言葉に嫌ーな顔をしている奈良くんたちに手を振って、僕は溝内先輩と一緒に談話室を飛び出した。
「俺もよくわからん。副会長は来るな、と言っていたけど、会長が暴れたらお前が身を呈して間には入れ」
「えええ…」
とにかく、この歴史的決闘の場に急がなければ!
内履きのまま寮を飛び出し、決闘の場という体育館の裏へと急いだんだ!
*
「どうあっても俺の言うことが聞けねえって言うのか…」
「だーから、あんたにとやかく言われる筋合いはねえ、ってんだよ」
おお!
まだ睨みあいの最中ですか!
間に合った!
って、喜んじゃいけないな。
会長の後ろにはいつものように副会長が。
九度先輩の後ろには…。
あれは…。
会長の弟の融くんじゃあないですか?!
読めた!
天才的直感でこの現状を把握した!…と言いたいけど、若干集まりだしてるこのギャラリー達も、すでに状況はわかっているんだろう。