*学園*

□お兄ちゃんに内緒
2ページ/4ページ

「先輩のピアス、綺麗だね」

そう言って、不意に耳朶を触られ、ぞくりとしてしまった。
慌てて耳朶に触れていた融の手を掴んだ。
少し、指先が冷たくなってしまっている。
温めてやろうか、という親切心ではなくて、沸き起こったのはいたずら心。
全然わかっちゃいねえこいつに、少し…いいよな。
ボケ会長の顔が頭の中に浮かび軽く首を横に振った。
勝負、とか、そんなもんじゃねえだろ、こういうのはよ。
バカだね、あいつは。

「…融…」

融の手を離し、その顎を持ち上げた。
融は素直に目を閉じる。
キスは慣れてしまったのか?
…じゃあ、それじゃあつまらねえな。

唇に重ねるはずだった自分の口を融の首筋に押し当てた。
融がぶるっと体を震わせた。

「せ、先輩、く、くすぐったい…」

くすぐったい…ねえ。

違う反応がみたいねえ、とますます膨らむいたずら心。
つか、ただ単にすけべ心か。

そっとパジャマの裾から手を差し込んだ。

「ひゃっ。冷たい!」

また体を震わす。

あ、楽しくなってきたかも。
もうちょい…いいよな。止まらない。
脇腹から、さらに上の方へ手を伸ばした。
胸の突起に触れると、また融の体が震えた。
どうやら眠気が少しさめたらしい。驚いたような目をして俺を見てる。

ここらでキスしてやるか…。
顔を近付けたら少し身を引きやがる。そうでなくっちゃ面白くねえ。
胸をさらにこねくり回してやると融の顔が赤く染まり出す。
後頭部に手を回して引き寄せた。
キスする直前に、融の口から「…あ」と小さく声が漏れた。だから俺は口の端を上げたまま融の唇に唇を重ねた。
融の喉と鼻から息が漏れる音がする。

融の肌に触れている俺の指もそろそろ温まってきた。

「こっちを向いて、膝の上に乗れよ」

「え」

ためらう融に、

「誰かに見られたら困んだろう?」

これからすることを、とは言わないが、素直な融は俺の股の上に乗り、首に手を回してしがみ付いてきた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ