神は男を造り、そのあばら骨から女を造った。
男と女は“知恵の実”を食べ、エデンを追放された。
女の腹からは兄が産まれ、次に弟が産まれた。
兄は土を耕し、弟は羊を飼った。
神への最初の捧げ物に兄は収穫物を……
弟は羊を捧げた。
神は弟の捧げた供物だけを受け取った。
兄は弟を妬み、恨み、嫉妬を募らせた…
弟は兄を慕い、尊敬し、愛した…
野原で兄は弟を殺した。
大地に流された弟の血は神に向かってこれを訴えた。
神に弟の行方を問われた兄は
「知りません。私は永遠に弟の監視者なのですか?」
と答え、これが人間の吐いた最初の嘘だという。
兄は弟の殺害したことを悔やみ、死に絶えた。
神は新たに男を生み出し、地へと降ろした。
男は弟と出逢い、共に手を取った。
地の争いは絶えることなく、再開した。
下克上は生まれ、従うもの、世話になりし者をつくった。
神は人間というモノに感情を与えた。
恨み、辛み、妬み、怒り、哀しみ、憂い、喜び、快楽…
全ての感情は次第に膨れ上がり、裏切りが産まれた。
神は手を出すこともなく、ただただ、人の生涯、進化を見守った。
┏━短編
┗短編集(番外編)
┏━あるばむ
┗管理人が描いたヘボ絵です。
┏━頂き物
┗相互様からの相互記念作品です。
┏━捧げ物
┗相互様への捧げ物です。
┏━拍手お礼文
┗過去拍手文を公開。
.