短い小説

□軽音部弁当大戦!
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タッタッタッ…


ガチャッ

ギイィィィ…

「おぉぅ♪いい天気♪」

「りっちゃん待って〜」

今日は天気がいいので屋上で昼食にしよう!ってことになった

今、俺達軽音部員6名は屋上へ向かっているのである

『そんなに急がんでも昼飯は逃げてかねぇぞ』

「もぅ…小学生か…」

「全くです」

先を争うかのように駆け出していった2人をゆっくりと追っていく俺達

そして俺達も屋上へと足を踏み出す

『ん…』

途端、爽やかな日差しが差し込み、穏やかな風が髪を揺らしながら吹き抜けていく

とても気持ちいい

「まぁ♪本当にいい天気♪」

「風が気持ちいいですね♪」

「屋上で食べようって言って正解だな♪」

『そうだな』

どうして今まで屋上で昼食という企画を思い付かなかったのかが不思議なくらいだ

もったいないとちょっと後悔した

すると、離れたところから俺達を呼ぶ声が聞こえてくる

「「おーい!みんな〜♪」」

盛大に手を振りながら俺達もこっちに来るようにと促す律と唯

自然とそっちへ向かって歩み進んでいた

「早速食べようぜ♪」

その場に座り込み、早く早く〜と律が急かしてくる

俺達も適当に丸くなって座り、各自弁当を広げていく

「それじゃ、いっただきま〜す♪」

勢い良く食べ出す律

一応女の子なんだからも少し上品に食べようよ…

そんなことを思っていると

「隆治先輩?」

梓が問いかけてくる

『何でごさろう?』

「コンビニ弁当ですか?」

『あはは…朝は作る余裕なくてね…』

バイトやら何やらで…と付け足し、後頭部を掻きながら話す

すると

「お弁当、作ってきましょうか?」

『え?』

「「「「えっ!?」」」」

驚きの一言

俺より鋭い反応が周りから飛んでくる

「あ、あずにゃ〜ん?寝言は寝て言うものだよ?」

「そ、そうだぞ梓?隆治だって迷惑なんじゃないか?」

「そ、そうよ梓ちゃん?梓ちゃんが大変だから私が代わりに作ってくるわよ?」

「だ、だったら私は聡の分も作ってるから一緒に作るぞ?」

「いえ、大丈夫です。別に大変じゃないですし」

「遠慮しないであずにゃん!私がやってくるから」

「唯はできるのか?だったら私が…」









まて

もう既に作る前提なのか?

『なぁみんな?別に気にしなくても…』

「「「「「隆治(くん)(さん)(先輩)は黙ってて!!」」」」」

『………』

どうやら、この領域には俺に対する人権は既に存在しないようだ

怖いよ…火花散ってるよ…

いや、シチュエーション的には最高の立場にいるんだけどね

その後もしばらく口論が続く

すると

「あっ、だったら来週の月曜日にみんなで作ってきて、誰のが一番いいか隆治に決めてもらえばいいんじゃないか?」

「おお!それは!」

「いい考えだな!」

「腕がなるわ〜♪」

「やってやるです!」

「よーし決まりだ!それじゃあ細かいルールは…」

もう無理だ…俺には口を挟む隙間さえ見つからない…



「…とゆう感じで!異議はあるか?」

「オッケーだよ♪」

「大丈夫だ」

「どんとこいです♪」

「負けませんよ!」

「よし隆治!何か質問あるか?」

『…いえ、ごさいません…』

あるさ。そりゃあ山ほどあるさ。でも言えるわけねぇじゃん…?

こうして忙しく昼休みを終えた

放課後も各個人がメニューを考えていたため、練習はほとんどなかったのであった
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