短い小説

□Part-time job
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ある放課後のこと

『やべぇ…仕事が長引いたっ!』

今日は隆治が日直の日

終わった瞬間に教室を飛び出した

『急げばバイト間に合うかな…あっ、そだ』

階段の目の前で足を止める

『ちょっと顔出してくか』

そう言うと隆治は階段を一段飛ばしで登っていく



そして音楽室

ガチャッ

『こんちは』

ちょっと息切れしてるけど

「あれっ?隆治くん」

「今日はバイトじゃないのか?」

昨日断ってはおいたけど…

『ん、ちょっと顔出しにね。何も言わずに帰るのもアレだしね』

アレって何だろ?でもアレって何にでも代用できるから日本語は便利なのかなぁと。

「アレってなぁに?」

「そこは気にするとこじゃないぞ」

「ふぅん」

『そいじゃ、急がなきゃならないから先に帰らせていただきますので、じゃあの!』

「ばいばーい!また明日ね〜!」

バタン



「それにしても律儀だよな隆治の奴、昨日言ったから別にいいのにな


「でも、そんな心遣いができるから隆治さんはみんなに好かれるんじゃないでしょうか?」

ムギはニコニコと笑顔で紅茶を注いでいく

「そうかもしれないな」




そんなこんなで今日もティータイムは進んでいく

「ってか誰も“じゃあの!”にはツッコまないんですね…」

「ん…あぁ、そういえば言ってたような…」
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