長い小説

□#5 顧問
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「あいたっ!!」

放課後、練習中に突然あがった悲痛な叫び声

『どうした唯?』

「手の皮がむけちゃったー…」

「うわぁ…痛々しい」

『うわっ!』

「なんだ!?今度はどうした?」

『蜜柑の皮がむけちゃった』

「今日のボケは一皮むけてないな」

なんてコントを繰り広げてるから

今日も平和だね

「ほらー澪ちゃん、指の皮が…あれ?」

「見えない聞こえない」

澪はそっぽを向いてしゃがみ込み、耳を塞いでいる

『これもダメなのね…』

「ほーう?」

すると律が何やらいやらしい顔をしているのが目に入る

律の悪戯心に火が灯ったようだ

「あーっ!私もドラム叩きすぎてマメがつぶれちゃったー!(棒読み)」

すると澪は震え出す

「ほらほらー」

「ひいっ!」

『律…もうやめとけ』

なんだかいたたまれなくなってくる

『それはそうと、指の皮はむけたら硬くなってくから大丈夫だ』

「ほぅ」

「だからと言ってギターが上手くなってるとは限らないけどねー」

「えっ!」

ガーンと言わんばかりに肩を落とす唯

『あはは…』

でも唯は確実に上手くなってると思うよ?

「あれ?ムギじゃん」

「どうしたの?」

こそこそと隠れるように入るのを躊躇っていたムギ

「Hな会話してるのかと思ってなんだか入り辛くて…」

頬を赤らめながら話す

『うん、あながち間違ってないかな』

「だいぶ間違ってるよ隆治くんっ!?」

「いや完全に間違ってるだろ」

この後、ムギを説得するのに時間を費やしたようである
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