短い小説

□Part-time job
2ページ/7ページ

『なんとか間に合うかな』

隆治、只今街中疾走中

『しかし今日に限ってこんなに遅くなるとは思ってもみなかったな』

何とか、時間ギリギリで入ることができた

カランカランッ(入り口のベルの音)

『こんにちは、すんません遅くなって!』

「おっ、こんにちは。まだ少ないからあんまり焦らないでいいよ〜」

この人が店主。寛大で温厚、そして人当たりのいいキャラでして。

ちなみにバイト先はこの店主といい、店の雰囲気、評判といい最近巷で人気の出てきている喫茶店だ

『マジですか?じゃあお言葉に甘えて』

俺は更衣室に向かって行く

ちなみに俺の仕事は主にウエイターだ

なんかこの間店主が、「君がきてから売り上げが伸びた」とか言ってたけど…何でだろう?

まぁそんなこんなで今日も仕事をこなしていく









そして、仕事も終わりに差しかかったとき

「朝比奈君、今日はそろそろあがっていいよ〜」

『え…でも、まだ早くないですか?』

「お客さん減ってきたし後は大丈夫だよ。あ、給料は引いたりしないから安心してくれ」

高らかに笑いながらそう言ってくる店主

『…申し訳ないです』

すると

カランカラン

『あ…いらっしゃいませ!じゃあラスト入ります』

そう言って客の方へと向かっていく

『いらっしゃいませー…あれ?』

どこかで見覚えのある黒髪ツインテールの女の子

「?…あれ、貴方は…」

彼女も気づいたようで

「隆治さんっ!お久しぶりです♪」

『君は…あー…誰だっけ?』

「えっ!?そんなぁ…」

一気に表情が暗くなる、背景にガーンって文字が似合う位に

『ごめん、冗談冗談。久しぶり梓ちゃん』

「…もうっ!」

ありゃ…拗ねちゃった

軽い冗談のつもりだったんだけど…

顔が不服そうなので話題を変えてみる

『梓ちゃんはよく来るの?』

「あ、そうですね、ここの紅茶美味しいので…隆治さんはバイトですか?」

『そうです、恥ずかしながら』

後頭部を掻きながらそう言うと彼女は微笑んでくれて

「ふふっ…ご苦労様です♪」

『…かわいい』

うっかり口に出てしまったようで

「かっ!?あ…あのっ…じゃあ、み…ミルクティーをっ!!」

『…かしこまりました』

顔真っ赤だよ

馴れてないのかな?
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ