The Heroine's smile
□第4話〜Another1・東北の女神〜
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「海波!帰ってきたら連絡しなさいよ!」
「東北でもガンバ!」
「ずーっと、応援してるから!」
「感謝の言葉しかないけど…ありがとう…!」
ファァァァン!!
うち、谷村海波!只今新幹線で東北に向かってまーす!いつも美咲が呟いてるようにかけるか心配〜…初めてだから頑張るね!
「離れていてもずっと友達!」
「たまには連絡してネ!」
「忘れないでよ!あたしも忘れないから!」
今うちの膝に置いているのは卒業式前にソフト部のメンバーで書いた寄せ書き。マキにひかり、小雪、翼、那々、ジス、凪沙…うちにとって一生の思い出は、みんなとソフトをして汗を流せたこと!それ以外にはないのだ!
……なぁーんて言いたいけど…それは無理っぽい。
「海波ならできる!私の大切な親友だから!」
最初は根性が強くて、ただのソフトボールが好きな子だって思ってた…でも、実は誰よりもソフトが好きだったことを証明してくれた薫ちゃん……
「海波、頑張ってじゃなくて…頑張ろうね!私たちはずっと…同じ青空の下で繋がっているから…!」
うちが最初で…最高の親友となった美咲……この二人の寄せ書きを見ると本当に泣いちゃいそう。
「いかんいかん…今泣いてどうするのよ!」
パンパン!
「谷村海波、親元離れて一人暮らしを始めるって言うのに…これからどんどん苦難が待ってる!泣いてる暇なんてないんだから!!」
「「………。」」
「あ、すみませ〜ん…。」
思わず大きな声を出してしまい、周りの人に怪しい目で見られてしまった…でもこれはうちの決意の表れだ。だから頑張らないと……
『仙台、仙台〜。お降りのお客様はお忘れ物ないようご注意ください。』
仙台駅〜〜
「きたぞ〜森の都、仙台☆!」
うちだって4月から和青学院大学の女子大生!心機一転スタートを切ったんだから!