ろぐ
□に
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「今日は僕と帰るよね?」
「今日は僕と帰るよね?」
「………………。」
「「クスクス」」
「…あーはいはい、3人で帰ろ」
千葉六角中。私が在籍している学校。
右が亮で左が淳。
何で皆見分けらんないんだろ。こんな違うのに。
「あっつー…」
「夏だからね」
「にしたって…あ、そうだ海行こうよ!」
「……淳…」
「……仕方ないね。クスクス」
「はいきまりー!やったー!」
「「子どもだなぁ」」
「うるさいハモんな!!」
小学校からこいつらとは一緒だった。
東京から越してきた私には何だか新鮮な環境だった。たまたま隣になった淳は私が隣になった時怪訝そうな顔したっけ。
…まぁ淳は初対面が苦手だから仕方ないって今なら笑い話だけど、当日の私には淳は酷くマイナスイメージがついたものだ。
「…ねぇ…教科書見せてくれない…?」
そう言うと淳は一層眉をひそめて教科書を半分私の机に移動させる。
「木更津くんって…何だか怖いね」
そう言うと皆は口を揃えて
「何考えんのかわかんない」
と言った。
「海は落ちつく」
「…そうだね」
亮が髪をしきりに気にしている。
「…髪」
「乱れる」
「気にしすぎじゃん」
「そっちは気にしなさすぎ」
「………あ…淳見てみなよ!気にしてないじゃん……って…淳?!」
「…僕も髪が乱れるから…」
「………あんたら………」
双子はお互いが好きみたいだ。
こんなに仲の良い兄弟見たことないよ。
あんたらホントに仲良いのね…そう呟くと彼らはそうかな?とクスクス笑うのだった。
「わかった!じゃあ2人は先に帰って良いよ」
「…帰らないよ。ね、淳」
「…そうだね、クスクス」
結局は最後まで付き合ってくれる優しい双子。
口には絶対に出さないけど…やっぱり大好き。
私達は夕日が出るまで海岸で遊んでいた。
きっとこれからもずっとこんな日が続くのだろう。
卒業してからも、大人になっても…きっと――
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