神々の旅行記
□白き神
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「オーディン様、それは一体……?」
「拾ってきたのだ。森の中で」
「は?」
いつもの様に門で見張りをしていたヘイムダルは、今迄旅に出ていたオーディンが腕に『何か』を持っているのを発見し、それが何かを尋ねた。
そして主神から返って来たいきなりの突拍子のない言葉に思わず失礼な台詞を返してしまった。
オーディンが腕に持っていたモノ、それは……
何処からどう見ても「人」だった。
それを「拾って来た」とまるで花か何かでも取って来た様に簡単に……
―――ヘイムダルはしばらく固まってしまった。
「……失礼しました。オーディン様……拾った、とは?」
「森の中に一人きりで捨てられていた。……見捨てられなくてな」
「……それで拾って来られたんですか?」
「まぁな……」
再びその子を見つめた。
「私は反対です。神以外の者をアースガルドに入れるのは」