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□契約と言うものは大抵は呆気ない。
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「姉貴!!!!」
舞咲は叫びながら澪に近づく。みーくん(以下、未来(みく)と呼ばせて貰う。)とじゃれていた澪は未来と離れ舞咲に微笑む。
「あね、」
き。そう言おうとした瞬間であった。又、先程の様に魔法陣は出ないが光が現れる。こんどは澪の首を中心として。ぱっ。と何かが弾ける様な光がした後、舞咲は眉をひそめた。澪の首にある物、それは舞咲みたいな鎖ではなく。リボン、所謂、チョーカーである。
「ふえ、チョーカー…?」
「チョーカー、だよな。ハイドォォォ!!」
急な舞咲の叫び声にハイドは肩をあがらせる。ハイドはやれやれと言った風に肩をすくめて、「はい?んだよ。」と聞く。その言葉が舞咲の何かに入ったのか、分からないがハイドの方に振り向いた舞咲の顔はそう、例えるなら、ヤクザ?否、マフィアのボスそのものだった。舞咲は怒りながらハイドに近づく。
「テメェ!!なんで、ゥチは鎖なんだァァァ!!」
「そこなんだ!舞咲チャン!ツッコみ所は!」
ツッコむ風真を無視しながらハイドの首を絞める舞咲。ああ、先程までのツンデレはどこぞに…
「まあまあ、日向谷さん。鎖、いや、契約の印は人の性格によって変わるんだ。」
その言葉を聞いて舞咲は溜息をつく。ハイドにきれても仕方がないと思ったのだろう。鈴霧の言った事が本当なら自分の性格が男勝りだから鎖になったのだから。それからハイドから離れた。
「…海の家に帰るか?」
ハイドがぼそりと発した言葉に舞咲が頷く。行くぞ姉貴。と舞咲は澪に声をかけてその場所から立ち去る。その後に続く人間に為った未来と澪。必然的に残されたのは鈴霧と風真だった。
「……あっけないよなあ、…風真…?」
鈴霧が風真の方向を見ると風真は本当に楽しそうな笑みを浮かべていた。にやり、と言うかはにこりである。
「んやあ、言っただろ?威勢のいい子は好きだって。」
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