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□荊に囚われたお姫様
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「「「「トライアルウィーク?」」」」




昼食時、学校の食堂に集まった生徒達の中で異色を放つ集団が1つ。

皆が憧れる1組にいながら尊敬されることが少ない2人組に、一匹狼と名高い少年、変態と名高い少年、自分のファミリーの権力を利用して転校したのではないかともっぱら噂の少女。


彼等は周囲の視線も気にせず、話し続けている。
ことの発端は生徒会長なる色和の言葉だったわけだが……。




「何なんだよ?
その"トライアルウィーク"ってやつ」




さすが、脳みそがスッカラカンの舞咲は英語の直訳も出来ないらしい。




「"トライアルウィーク"…………"試す週間"??」



「おお、さすがお姉さん。
ご名答です。
…でも、食堂って動物禁止じゃありませんでしたっけ??」




色和がそう言うのもそのはず。
澪は、動物持ち込み禁止のはずの食堂に堂々と前々回に登場した黒猫を持ち込んでいる。

近頃は、こちらも動物禁止のはずの寮にこの黒猫…通称『みーくん』を持ち込んで人間の言葉を喋らせようと頑張っている。

アニメでよくいる言語を喋る猫はそこら辺に落ちているものだとでも思っているようだ。




「でも…食堂にみーくん連れて来ても何も言われないよ?」



「……でしょうね」




澪が動物禁止のはずの寮や食堂にみーくんを持ち込んでも誰も何も言わないのは、言わないのではなくて言えないからだ。

それは澪の家柄ゆえである。

澪のファミリーを敵にまわすと、自分のファミリーが壊滅するだけではお釣りがくる。

それだけ澪が凄いファミリーの正当後継者だということだ。




「それで結局、その…"試す週間"ってのは何なんだ??」




舞咲はそれはじめた話の内容をもとに戻した。











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