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□ヒトというのは、自分の知らないところで必ず誰かに支えられている。
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「「「「「…は??」」」」」




海の家も営業時間を終了し、夕日が水平線に沈もうという頃。

澪の話に耳を傾けていた岳斗、愁助、新悟、直輝、深紅の5人は一斉にすっとんきょうな声をあげる。




「婚約者ってつまり……フィアンセ…ですよね??」




岳斗の言葉にコクリと頷く澪。
そんな澪に、今度は直輝が優しく問い掛けた。




「それで"姉妹"だったんだね。
でも"元"ってどういうこと?」



「それは……マーちゃんがこの学園に入学した頃…私とマーちゃんが出会うよりも前にまで、話を遡らなければいけないんです」




いっつもふざけているメンバーも今回ばかりは真剣に、笑顔の絶えない澪でさえ沈鬱な面持ちで語る。




「少し長くなりますが…我慢して聞いて下さい」




ただ一人、全てを知っている澪はとつとつと、舞咲と自分の過去を話し始めた。




「初め、マーちゃんのファミリーはお兄さんである"日向谷 和哉(ヒムヤカズヤ)"さんが継ぐはずだったんです」




その話を聞き終わった頃には、ここにいるメンバーは、誰ひとりとして舞咲のことを何も知らなかったのだと思い知ることになるのを、彼等はまだ知らない。






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