×ツナ

□気分転換の修行
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夢を見た。
俺が…射殺される夢。
死ぬ間際、俺は一筋の涙を零した。
『…ごめん……ッッ』
そう呟いて、静かに目をとじた。
そんな夢だった。

しばらくして部屋のドアがあいたのがわかった。
母さんか?もう朝かよぉ〜。


「おいツナ…起きろ!いつまで寝てるつもりだ?」

生意気な赤ん坊の声だった。

「もう昼だぞ、時間がもったいねーから、勝手にすすめるぞ。」

俺に向かって突如鳴り響く凄まじい轟音。
え…俺…撃たれた?
そのわりには痛くない。
俺の周りにピンク色の煙が現れる。
そこには、人影。

「だ…誰なのっ?」

俺が質問したのに、 その人影は俺に答えることなく、リボーンと話しはじめた。

「よく来たな。」

リボーンがそう言うと、人影は応えた。


『…お前が、呼んだんだろう。10ヶ月バズーカの効力は5時間…だったか?』


人影が初めて発したこの声、どこかで、聴いたことがあるんだ。
必死で記憶の糸を手繰り寄せる。

「あぁ。そうだぞ。」

それだけ聞くと人影は俺のほうに近付いてきた。

『そうか…お前が…、』

人影が俺に話し掛ける。
そうだ、夢!
夢…ゆめ?……夢にでてきたのは確か一人、でてきたのは………俺?!

人影は続ける。

『俺…か。』

「えぇぇぇぇ?!なっ何でぇ?」

俺は頭を抱えて驚きをそのままあらわす。

「煩いぞダメツナ。」

「どういうことだよ、リボーン!説明しろよ!」

「あぁ。」

一息ついてリボーンは話し出す。

同じ時間に、同じ人物が複数存在することは有り得ない。
そうなれば時空間に歪みができて破壊されてしまう可能性が生まれる。
その可能性は限りなく100%に近くて、実現することは出来ない。
だが、今回ツナの修行のために、ジャンニーイチが毎日徹夜で完成させたのが、『自動時空間調整機能』。
それは有り得ない時空間の歪みを自動で補修し、先程の可能性を限りなく0に近づける機能。
それにより、異空間の同じ人間同士が、一つの同じ時空間で存在することができる。
一時的に、な。
ジャンニーイチの場合、その時間を5分から5時間に延ばすかわり、二人の時間の差を10年間から10ヶ月間に縮めたんだ。

それだけ話してリボーンは時間が経ち、冷めたエスプレッソコーヒーを口に運んだ。
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