*イナズマイレブン*

□息さえも
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円「あぁっ!!ヒロト!」

基「久しぶりだね、円堂君!」


円堂の声にざわつく雷門イレブン。


鬼「グランが来たのか?」

円「ああ!皆、ヒロトが来たぜー!!」


今は昼の3時過ぎ。
雷門サッカー部は練習中だった。


円「なぁー、ヒロト!
俺にも流星ブレード止めさせてくれよ!」

基「えっ?円堂君がキーパーやるの?」

円「ああ、ちょっとだけ!
いいだろ、立向居?頼むよ!」

立「はい、勿論です!」


『……。』


立向居、お前にはプライドなんてないのか?
そんなほいほいと円堂にキーパーをやらせていいのか?

円堂も円堂だ…なんで…。

そんなこと考えているうちに、円堂はグローブを手に嵌め、ゴール前で構えた。


円「よーし、頼むぜ、ヒロト!!」

基「うん…!」


円堂が、すごく活き活きしている。
いつもそうだが、今はいつもにまして楽しそうだ。

俺は円堂のこういう顔、好きだ…


『…っ、』




それが、今は直視出来ない。

大体なんなんだよ、円堂は俺のことさえ名前で呼ばないのに、なんで基山のことヒロトって呼ぶんだ?
悔しいけど、これが嫉妬なんだ。


基山のほうに視線を戻すと、基山の右足に凄い気が集まっていた。


基「行くよ、円堂君!
…流星ブレード!!」

円「ゴッドハンド!!」

基「やるね、円堂君。
でも、そんなんじゃ僕のボールは止められないよ…!」

円「だぁっ…ぐあぁぁっ!!」


基山の流星ブレードは円堂のゴッドハンドを破った。


円「くぅ〜っ!!
流石ヒロトだな!!良いシュートだったぜ!!」


良いシュート…円堂は、誰にでも言うんだな、それ。


基「あはは、ありがとう。
円堂君も、もっと違う技だったら止められたかもしれないのにね。」


当たり前だ、円堂は雷門のキーパーなんだよ!
今は…ちょっと違うけど。
あいつは無敵なんだよ!


円「そうか?!じゃあ、もう一回!!」

基「あはは、そう言いたいところだけど、今日は用事があってね。」

円「え、そうなのか?!」

基「うん、グランドに円堂君が見えたからちょっと寄ってみただけなんだ。」


『?!!』


なんだと…お前、円堂に下心ありすぎだ!!


円「そっか…また、いつでも来いよ!」

基「うん、ありがとう!」

円「また一緒にサッカーやろうなー!」

基「円堂君…うん!」


円堂っ!!ソイツ下心見え見えだろ!!
なんでだよ、お前天然そうに見えて意外と鋭いところあるよな?!!
なんで気付かないんだよ!!


基山は俺のほうに向かって歩いてきた。
円堂は笑顔で手を振っていた。


円「またなーっ!!」


基山は歩きながら俺の顔を見て、クスっっと笑った。
なんだコイツ…宣戦布告か?


俺の横を通り過ぎるときに、奴は俺の耳元で囁いた。


基「嫉妬しちゃって、可愛いね?豪炎寺君。
円堂君天然だから苦労しそうだけど、頑張ってね。」


『?!』


俺は、後ろを振り返った。


基「ばいばい。」


基山は、ニコッと笑ってまた歩き出した。






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