×獄寺

□本心はどっち
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―翌日―


俺は今、10代目の家の前にいる。
いつもより早くつき過ぎてしまったといのもあるけど、昨日、山本に言われたことがどうも頭にひっかかるからだ。


「よぉ獄寺!何してんだ?」

そこにこの悩みの種を植え付けた張本人である山本が現れた。


俺は勿論無視。





「シカトかよ;;お、ツナ!はよっ!」


「山本に獄寺君!おはよう!」


そこに10代目がいらっしゃった。

「10代目、おはようございます!!」


しまった・・・俺としたことが野球馬鹿に挨拶さき越された!!


あぁ、駄目だ。もう何も考えないようにしよう。
気にしないようにしよう。


「あ、ねぇ山本!」

10代目が野球馬鹿に話しかけた。

二人は楽しそうに昨日のテレビについて話していた。
俺はいつになく、一人で考えていた。
昨日のことも考えていたし、あと一つ考えていることがあった。


10代目と野球馬鹿が話しているのをみていると、すげぇ心が痛ぇ。
なんかモヤモヤするし、だんだんイラついてくるし、心臓が鷲掴みされたように痛む。

本で読んだことがある。
恋をするとそんな症状があるって。

いつもの俺なら軽くスルーするところであるだろうけど、生憎昨日から野球馬鹿に言われたことが頭から離れない。
そのせいで、本当に自分は10代目が好きなのかと思ってしまう。


「あ、ツナ君達、おはよう!」


そこに、クラスの女子、笹川が来た。
学校1モテるとかいうけど、俺は全然興味ねぇ。
寧ろ対象外だ。


ってアレ?!
なんでだ?!誰もが可愛いって思うらしい笹川に俺が興味ないってどういうことだ?!
俺は前々から興味ねーって思ってた。

だけど、それって昨日の野球馬鹿の言葉を裏付ける証拠になるんじゃねぇのか?!

俺って・・・女に興味ねぇの?
俺、そういう趣味だったのか?!


あぁもうなんだか自分がよくわかんねぇ。


「京子ちゃん、昨日さ・・・、」

今度は10代目は笹川と話し始めた。


そして並中の校門をくぐった。


考えすぎたせいか、もう胸が痛くはなかった。








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