デスノート夢*長編

□華のキャンパスライフ?〜序章〜
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「メロ……」
「なんだ鬱陶しい声出して」
「ちょっ、ひとが落ち込んでるのにその言いぐさ!」
「どうせ落ち込んでるったって碌な事じゃないんだろうが」
呆れた目を向けて、メロが言う。

「まあちょっとくらい聞いてくれてもいいじゃん」
「はぁ、じゃあ言ってみろよ」
メロが続きを促せば、マットは急にキリっと表情を引き締め、真面目な顔を作る。
それから、たっぷりと間をとって、マットは口を開いた。
「あのさ、俺大学にくれば、女の子といっぱい遊べると思ったわけ」
「さて、そろそろ講義行くか」
座っていた椅子から腰をあげはじめるメロの服をマットが必死に掴む。
「ちょっと待ってくれよ!!最後まで聞けって」
「なんだよ、どうやってもくだらない話にしかなんねえだろ」
「いや、これ俺にとって一大事!!まだもうちょっと講義まであるじゃん、もうちょっとだから聞いてっ」
「早くしろ」
「おう。で、さ……大学に入って、気が付いたんだ」
ごくり、神妙な顔したマットは、わざとらしく喉をならした。
「俺の入った学部、まじ男しかいねえ……」
「やっぱくだらねえ事だったじゃねえか」
講義行くわ、とメロが再び立ちあがる。

「いや死活問題だろ、これ!!女の子要素がないとか何のためのキャンパスライフだよ!」
「勉強のためだろうが」
バシッと頭をはたくと、マットの口から潰れたような声がもれる。
「こんなに俺の学部、女の子少ないと思ってなかったんだよぉおお……」
情けない声でメロにすがるその姿に、メロは盛大にため息をついた。
それでもなお、マットはその手をはなさなかった。

「……なあ、」
「あ?」
「メロ、合コンしよう!」
「真面目に勉強でもしろ」

ついに蹴りを入れられたマットは、地面に沈んだ。
動かなくなったマットを差し置いて、今度こそメロは本当に講義へと向かった。
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