10000打企画

□永遠の幸せを
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私は、20歳になりました。


今年、大切な、大切な人と、結婚をしました。

そして・・・、





「え、本当!!??ちょ、速攻帰る!え、仕事?大丈夫もう終わったし!・・・ぅわ、笛吹さんっ!!えぇ!?ちょ、それ明日でも大丈夫でしょ?明日にしてよ!それより大事な事があるんだってっ」
電話越しに聞こえてくる、結也さんの喜びと困惑が混じった声。私がクスクス笑っていると、
「電話切るね!今すぐ帰るから待ってて!!」
一方的にブチン、と電話を切られてしまった。
「・・・焦りすぎ」
そういいながら、私も笑みがこぼれるのを抑えるなんて出来なかった。それほどまでに、嬉しい出来事。

「ただいまぁぁあああああ」
「えぇ、早ぁっっ!!」
玄関がバタン、と大きな音がして開いたかと思うと、結也さんの声。あまりの速さに絶句してしまうほど。
「ゆ、結也さ、「弥子!!」
息をきらしながら、私の肩をつかむ。ちょ、ちょっと怖いです・・・。
「ほ、ホント!??こっ子供、出来たの・・・!?」
「はいっ」
満面の笑顔で言うと、だんだん落ち着いてきたのかふにゃりと私の肩をつかんでいた力が弱まって。
「つ、つまり。俺の子、だよね・・・?」
「結也さんの子じゃなくて誰の子なんですか!!」
「そ、そうだよな・・・!うわーうわーやばい嬉しい・・・っ」
無邪気な笑顔。可愛いなあ。

「そうか、ついに奴隷にも赤ん坊か。つまり我が輩の奴隷がまた増えるわけだな」
「「うわぁぁあああぁッ」」
これは絶対いきなりと言って良いはずだ、いつの間にかネウロが私の後ろに立っている。
あまりの驚きに二人とも物凄い勢いであとずさった。
「どどど、どこから入ってきたんだよ、ネウロっ」
今だ驚きの衝撃が収まらないのか、結也さんは胸をおさえながらネウロにたずねていた。
「ちゃんと窓から入って来たぞ?」
「ちゃんとっていうなら玄関から入ってきなさいよ!?」
私もバクバクという心臓を抑えながら、ネウロに叫んだ。

「おいバケモン!お前先先いきやがって・・・!つか赤ん坊がいんだろーが、驚かせてどうすんだよ、体に悪ィだろうがよ!」
玄関から聞こえる、
この声は・・・
「吾代さんっ!」
「おう、元気か?邪魔するぜ。ったく、妊婦驚かすもんじゃねーだろ。ありえねえ」
いや、吾代さんのでっかい声も結構子供に悪いと思うよ・・・?
というか、
「何で知ってんの!?今、結也さんに初めて電話したとこなのにっ・・・」
「何を言っている。我が輩ともあろうものが奴隷の生態を把握できなくてどうする?」
うわぁー良い笑顔ー。そうだねーネウロってそうだよねー・・・。
「そんなわけでもう一体の奴隷と共に観察にやってきたというわけだ」
フハハ、と上機嫌で笑うネウロ。その横で吾代さんが「俺はテメエの奴隷じゃねー!!何度言えばッ・・・」と無駄な抗議をしている。

「あぁ、もちろんあかねも居る」
突然にネウロが目の前につきつけたのはおめでとう、という紙を持ったあかねちゃん。
「ん、ありがとう」
お礼を言ったら、どうやらあかねちゃんはどういたしまして、と言っているように見えた。
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