海深く
□不思議な世界
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船旅は楽じゃない
天気が怪しくなるにつれて、私の体調も怪しくなるばかり。
見兼ねた母親が声をかけてきた
「美夜?大丈夫?」
「………あんまり大丈夫じゃないかもしれない……」
ぐてっとなってどうしようもない自分はゆるゆると首を振った
「………ちょっと、外?上に行って来る……」
短く吐息をはきだし、仕方がないと言わんばかりの表情で母親が頷いた
「わかったわ。けど、何があるかわからないんだから、端にいっちゃダメよ」
母親の言葉にかすかに頷きを返し、私は船上へと向かった
その後の運命を変えるとは思いもせずに―――