今日からマ王!

□水面に映る月に恋をした。
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ユーリの隣に彼がいた。

いつも大人びていて落ち着きがあって、時に威厳ある言葉で話す、姿に似合わず冷静な彼。
けれど時折見せる無邪気で屈託のない笑顔は年相応か、それよりも幼く見える程。

16歳という、まだ子どもの彼。
“村田健”という名の少年。



俺はいつもユーリの保護者のような位置づけにいた。
だからそのユーリの隣にいる少年もまた、我が子のように見守る事が多かった。

親馬鹿と言われても構わない。

ユーリも可愛ければ猊下も可愛い。

まるで本当に自分の家族のような、自分の子どもであるような、そんな気持ちだった。
実際、生まれる前の魂であった時から見守り続けているのだから。

父親気分になってしまうのも仕方がないだろう。



ユーリが笑っていれば一緒に猊下も笑う。
そんな二人の姿を見守るのが俺はとても好きだった。

そう。
これは保護者として。
親としての愛情だった。
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