本当のキモチ
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「パーティーのドレスは跡部が用意してくれるらしいよ」
パーティーのドレス?
そっか・・・黒崎財閥のお嬢様のお誕生日会だもんね
私の持ってる服なんてもちろん即座に却下だね
きっと会場にさえ入れてもらえないだろうな・・・
ヒラヒラのドレスを着た綺麗な人がたくさんいるんだろうなー
「私・・・着るドレスない」
「聞いてた?だから跡部が用意してくれるんだってば・・・」
目の前には呆れ顔の+++
準備するのは+++の分だけじゃないの?
そう言うとまたため息をつかれた
「来週サイズ合わせに行くんだから。跡部から聞いてないの?」
サイズ合わせ?私は聞いてない
+++の勘違いだよ・・・きっと
会話もほとんどない子のためにドレスを見立てるだなんてありえないもん
《キーンコーン》
何か言いたそうな+++を席に座らせた
と同時に古典の先生が入ってきた
(あっ・・・久々に見た気がする)
今日は放課後まで平和だといいな
眠たくなって瞳を閉じていると前の席からヒソヒソと声をかけられた
「<ヒソ>・・・***ちゃん・・・跡部とあんま話しせんようになったな?<ヒソ>」
「<ヒソ>そうかな?<ヒソ>」
忍足くんの言う通りだよ。彼から離れることで先輩達の気が収まるのなら・・・
そう思って私がとった行動
「<ヒソ>ノートとらなきゃ古典の先生に怒られちゃうよ?<ヒソ>」
そう言って会話を強制終了させた
ごめんなさい―――
心配してくれてるのに・・・