保健室のお姉さん
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「景吾のクラブは何か模擬店だしてるの?」
今日は最終日だから私の記憶が正しければ、クラブやサークルの模擬店がメインだったような
「あぁ男子テニス部はカフェだ」
「あとで行こうよ!」
怪訝な表情を浮かべる景吾を無視してパンフレットで位置の確認を始めた私
(イベント会場の近くだ・・・)
景吾に指差しながら
「このイベント友達が裏方だから来るように言われてるの・・・」
“内容は全然知らないんだけど”と付け加えた。
意味ありげに笑う景吾に理由を詰め寄るものの・・・
教えてくれることはなかった。
本当にどっちが年上だか?
ご飯代を払おうとしたのに受け取ってもらえなくて
トレイ返却だけでも私がすることになった。
返却して席に戻ると・・・
景吾と話す女の子の後ろ姿が目に入った。
(クラスメイトかな?)
さらに近づくと・・・
柱の影に隠れていた1人の男の子も目に入った。
(えっ・・・!??)
好きすぎて幻覚でも見えてしまっているのだろか?
周助君・・・だよね?
あの子が彼女さん―――
年甲斐もなく少し嫉妬してしまいそうになった。
「あっ・・・***」
戻ってきた私に気付いた景吾が呼んでくれた。
と同時に振り返った2人
私はちゃんと笑えてるだろうか?
「こんにちは・・・不二君も来てたんだね、」
女の子は私に驚いていた。
そりゃこんなおばさんが景吾と周助君と知り合いなんだもんね
「あぁ。***先生は跡部と回ってるの・・・?」
「えぇ。ここのカフェテリアおいしいよ」
こんな風に上辺だけの会話ができてしまう年齢になったこと
―――ちょっと悲しくなる
「じゃぁな!」
そう言って景吾は私の手を引いてどんどん歩いてく。
「ち、ちょっと?どこ行くの?」
私の話なんか聞いてる気配はなさそうだ・・・