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□act.2 今と昔の私
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「おいしかったー」

「相変わらず食べるときは幸せそうな顔してるね」

「・・・違うよ!隣に翔君がいるから、楽しいんだよ」


こんな言葉を面と向かって言えるのは少しお酒が入っているから・・・
いつも素直になれない私なりに精一杯の愛情表現


「・・・どうしたの?」

「―――イヤ、嬉しくて!今日は***のこと離せないかも」

「翔・・・君、いいよ」


私達2人は誰にも知られず甘い恋人の時間を堪能していた
翔君は芸能人だから、他の子達のように堂々と外で会うことはできない
いつもデートは翔君の住むマンションにある会員制の創作料理屋さんか翔君の部屋でまったり
(ほんとに一緒にいられるだけで幸せなんだよ)


「そろそろ出ようか?」

「うん!おなかいっぱい」


お財布を取り出せば“今日は出しといた”とスマートに席を立つ翔君
今日は!って・・・いつもなのに
いつも出してくれる彼に悪くて私も社会人なのだからと言えば
“こそこそしたデートしか出来ないお詫び”だと言っていた
私は翔君の隣にいられるだけで嬉しいのに・・・
貴方は気付いてないの?

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