OTHER

□優しさが辛い
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好きになってはいけない人
ちゃんとわかってるよ?
わかってるのにこの気持ちを止める方法がわからなくて―――
気付けばいつもあなたのことを想っている私


「はぁ・・・未練がましい女だ」

「誰がー?」

「えっ・・・こ、この前に見たドラマの話ですよ。あれれ?今日の打ち上げ参加って言ってましたっけ?」


独り言のつもりがまさか人に聞かれてたなんて・・・
しかも一番聞かれたくない人
焦った私は手元のビールを勢いよく飲み干した


「あー、***が来るって聞いたから参加してみた」

「ハイハイ。どうも」


好きな人にこんなことを言われてドキッとしないわけがない・・・
でも現実は酔っ払いの戯言
本気にしてしまいそうになる自分を戒めたくなった
彼にはとってもお似合いな恋人がいるのだから・・・
今はこんなにも酔っ払ってだらしなく見えても定評のある俳優
そして恋人は誰もが知る有名雑誌の専属モデルさん
私はただのスタッフで・・・
本来なら会話することさえ許されない人間かもしれない


「今日はハイペースだね」

「・・・そうですか?まぁ、せっかくの打ち上げですからね」

「ふーん、まぁ飲み過ぎには気を付けなよ」


彼はそう言って私の頭をポンっと叩いて私の傍から離れていった
目の前の視界が滲む―――
優しさが・・・痛いよ

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