Prince of Tennis
□クリスマス
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「クリスマスは悠斗くんと過ごすんだー」
そう目を輝かせて話す彼女は仲良しの真琴
彼氏ができてから少女漫画みたいな花が周りに飛んでる気がする
私もこんな風に素直な女の子になりたかったなぁ・・・
「***は?クリスマスは不二くんと?」
「そんな訳ないでしょ!」
学校のアイドル不二周助を好きになってしまった私
負け試合だとわかっているのに立ち向かう勇気はありません
それなら―――
「***〜!ごめん、英和辞書貸してくれる?」
「周助・・・またぁ?その代わりアイスおごりね!」
「寒いのにアイスでいいの?わかったよ」
「寒くてもアイスがいいの!忘れないでよ」
こんな風に言い合える関係を私は壊したくない
私が素直だったら・・・
“辞書?遠慮なく使って”なんて微笑んで―――
ダメ、想像しただけで背筋が凍り付いちゃう!
周助が去ったあと、
「伝えなくていいの?***の気持ちは・・・」
真琴が私の顔を覗きこんできた
伝えたいよ?この気持ち
でも私は臆病だから・・・
この気持ちを彼に伝えようとしたことはない
周助はきっと普通に接してくれるだろうけれど・・・
私は普通ではいられない
言ってギクシャクするくらいなら言わずにひっそり想い続けたい
「それって不二くんに彼女がいないこと前提だね?」
周助に彼女ができたら・・・
そんなこと考えたこともなかった
「彼女ができたら女友達は一歩下がらなきゃだよ?」
真琴の言葉が胸に刺さる
周助はモテるから・・・
彼女ができたら私と話すこともなくなるのかな?
それはツライなぁ・・・