青い薔薇〈第一章〉

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身体に力が入らない―――・・・
“彼を疑いすぎて悪かったよ“
聞こえてくるのは
“でも優姫、あんなこと言われて僕が腹を立てないとでも?”
―――かな・・・め?
“そうさせたのは・・・誰?”
優姫がいるの??
もしかして私が心配で追い掛けてきてくれたの?
(本当に優しいね・・・)


《ガバッ》


(あっ・・・)
勢いよく起き上がったせいで私は目眩を起こしてしまった


「皐月!?大丈夫・・・!!」

「優、姫・・・」


やっぱり夢じゃなかったんだ
あの男の子はヴァンパイアの子供だったんだね
まだ牙を持たない子供は生気を吸うから・・・


「皐月ちゃん、大丈夫?」


(えっ!??)
予想もしなかった人物の登場プラス想像以上の近さに驚いた
さっき目眩を起こした私を助けてくれたのは・・・


「た、拓麻・・先輩??」

「目を覚ましてよかったよ。優姫ちゃんから大体は聞いたよ」


ここは―――
廃ビルの地下空間に造られた藍堂家所有の地下別邸・・・
今宵はヴァンパイア達による定例夜会
人間である私達がいるべき場所じゃない―――

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