青い薔薇〈第一章〉
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「枢、皐月ちゃんの目も覚めたことだし・・・皆待ってるよ?」
枢が夜会に足を運ぶなんて・・・
例えそれが穏健派の藍堂家主催であっても―――
(珍しいよね?)
「私達、この部屋から出ずにおとなしくしてますので・・・」
腰を上げない枢にそう言った
本当なら私も優姫もここにいなくて枢は夜会に参加していたはず
そのために来たのだろうから・・・
(ごめんなさい!!)
拓麻君が口添えをしてくれて枢は重い腰をあげたようだった
きっと優姫が心配なんだね・・・
――――――
――――
――
―
窓のないこの部屋で優姫と何気ない話をしていた
夜会が終わるまでこの部屋から出なければ何も起きないから・・・
《ガチャ》
急に扉が開いて驚いて振り返ると
(あっ!さっきの子供!!)
「人間のおねぇちゃん、さっきはごめんなさい・・・」
そうしおらしく謝る小さなヴァンパイアに怒る気は起きなかった
“ママに会えた?”と聞こうとしたら扉を開けたまま去って―――
少し気になった私は
「優姫!絶対にここから出ちゃダメだから!」
そう言い残して部屋の外に出た