青い薔薇〈第一章〉

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「どうしてこんな場所に?」

「・・・皐月が心配で―――」


僕が優姫を問い詰めると少しずつ話し始めた
夜会に来ている吸血鬼の子供に姉さんが連れてこられたらしい
それを追って優姫が・・・
(2人ともお人好しだからね)


「僕とは、口をきかないのじゃなかったの?」

「あれは、枢先輩が零を疑うのをやめてくれれば・・・」

「確かに彼を疑いすぎて悪かったよ。実際に真犯人は別にいたし」


それでもね、優姫・・・
あんなことを言われて僕が腹を立てないとでも?
悪いのは僕だと優姫は言うけれど


「そうさせたのは誰?」


心臓が跳ねたよ―――
妹だと知らないとはいえ・・・錐生君の肩を持つなんて


《ガチャ》


「―――いいよ、入って。今度は君が呼びに来たの?」


さっきは藍堂が・・・
でも、姉さんが目覚めない限りこの部屋を出るつもりはない


「足を運んでくださったのだから是非って・・・皆が待ってるよ?」


皆が待っている?
それは僕じゃなくて・・・
“純血種・玖蘭枢”だろう?

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