青い薔薇〈第一章〉
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私が2人の元に戻ると・・・
「な〜に拉致られてんだよ!」
零の鉄拳が待ち構えていた
(相変わらず不機嫌・・・?)
理由を聞こうとした私の声は
「・・・ぜR「大変だ!紅まり亜ちゃんが目を覚ました〜!!」
理事長さんの声に見事遮られた
私達3人は顔を見合わせて医務室に足を早めた
――――――
――――
――
―
《ガラっ》
扉を開けるとともにまり亜さんの声が聞こえてきた
「壱縷ちゃん!」
彼女が呼ぶ名前に私も反応した
(部屋にいるの?)
「理事長さんのうそつき!ちゃんとここにいるじゃない!!」
その言葉を聞いて全てを理解するのに時間はかからなかった
彼女もすぐに気付いたようで
「違う・・・貴方、零・・・くん?」
そう呟いたかと思うと―――
瞳を潤ませてさらに小さく呟いた
「本当に死んでしまったのね」
まり亜さんは閑さんの遠縁にあたるらしく・・・“保護”という名目で隔離されていた閑さんの優しさを知る数少ない一族
器として自分の身体を貸すことに抵抗はなかったという
(私の知る閑さんも聡明で素敵な方だったよ)