青い薔薇〈第一章〉

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「藍堂、何を考えてるの?」

「えっ?」


さっきから様子のおかしい藍堂に僕は質問した
考えていることはおそらく・・・


「・・・枢様のご両親、玖蘭ご夫妻は・・・なぜ、その―――自害なさったのですか?」


何かを恐れているかのように貴族たちが避けている話題・・・
それが、僕の両親の自害
話を流す一条に首を振った


「アイドルく〜ん、枢が返答に困ってるから・・・」

「構わないよ。これを聞いてくるということは答えもわかっているのだろうから・・・」

「玖蘭ご夫妻は・・・自害なさるような方々では―――」


そういえば藍堂は、僕の両親に会ったことがあったね
あの優しい僕の両親は・・・


「・・・両親は、殺されたんだ」

「枢様には、お姉様が・・・」


そう―――
僕の姉・・・“玖蘭皐月”
両親と共に自害したということになっている・・・


「そうだよ。姉さんが・・・いた。両親と共に殺された―――」


もう純血種である“玖蘭皐月”はどこにもいないから・・・

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