青い薔薇〈第一章〉
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黒主学園に足を踏み入れると風紀委員が出迎えてくれた
「みなさん、お帰りなさい」
姉さんの笑顔を見て僕は胸を撫で下ろした
目を離した隙に彼女はどこかへ行ってしまいそうだから・・・
アイツには姉さんの存在を知られてはいけない
絶対に―――
「優姫、お土産。十年に一度しか咲かない薔薇を樹脂で固めた物だって」
「あ、ありがとうございます」
この薔薇を見たいと言ったのは君なんだ
ずっと約束だったから・・・
それから、
「錐生君にもお土産だよ」
「・・・いりません」
僕の好意で買ってきた“呪われた等身大人形”は―――
「さっそく役に立ちました。もう結構です」
その場で使われることになった
僕達の不穏な空気に割り込んできたのは
「枢先輩!あの・・・2人だけでお話したいことがあります」
僕と皐月の妹、優姫
「なに?告白・・・?」
顔を真っ赤にする優姫が可愛くてついからかいたくなる・・・
でも、
「錐生君、優姫は元気に振る舞ってるけど・・・僕の留守中―――」
“いや、ここで・・・話すような事ではないね―――”
そう続けた僕に錐生君は何も言わずに鋭い視線を送っていた