青い薔薇〈第一章〉

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俺は理事長室に報告に来ていた
“夜間部が連絡のあった2名以外は寮に入った”と―――


《ガシャーン》


カップを割った理事長は


「あ〜ぁ、割れちゃった。飲む?枢君のお土産の薔薇茶だけど・・・」

「いりません!!!!」


俺で遊んでいるのだろうか?
いつものごとく、理事長に本気で殺意を抱きそうだ・・・


「風紀委員の報告は終わったので失礼します」


と言って理事長室を出ようとしたら、叫び声が聞こえてきた
(理事長って一応は大人・・・だったよな?)


「指切った〜!・・・もったいないからなめとく?」

「結構です―――」


そう言ってもう一度扉に手をかけた俺に今度は真面目な声で・・・


「錐生君は誰から血を?」

「理事長・・・本当は、気付いてるんだろ?」


俺が皐月の血を・・・
それでも見知らぬフリをしている理事長は優しいのか―――
残酷なのか・・・


「まさか、皐月ちゃんだとは思わなかった。君はてっきり優姫が・・・」

「・・・優姫のお陰で俺は生きて来れました。でも皐月がいたから生きようと思ったんです―――」


彼女がいたから俺は・・・
血塗れた人生だけど歩むことをあの日、決めたんだ
皐月に会いたかったから・・・

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