青い薔薇〈第一章〉

□27+++
1ページ/3ページ

藍堂の屋敷から学園には戻らず僕は自宅に帰った


「・・・素直に、戻ったな」

「以前のように学園に押し掛けられるのは迷惑ですから、」


枢が優姫ちゃんのために作った夜間部―――
今は皐月さんもいるあの学園
少しでも平和にしてあげたい・・・
僕が皐月さんのために少しでも出来ることがあるなら・・・
どんなことだって僕はやるよ?


「今日はお前に会わせたい方が来られている。そのために呼び寄せた」


会わせたい―――方?
お祖父様がそう言うくらいだからきっと純血種


「・・・白蕗家の方ですか?」


“会えばわかる”と言って歩きだしたお祖父様の後を追った
見慣れた大きな扉が開いて―――


「お待たせいたしました。おかげんはいかがですか?」

「・・・悪くはない」


お祖父様が跪いている相手は・・・
“我が君”と敬いを見せる相手は
僕がよく知るー――


「し、支・・葵・・・!??」


僕の・・・
僕のよく知る彼のはずなのに―――
でも知らない人で・・・
僕を混乱させるには十分だった

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ