青い薔薇〈第一章〉
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眠れなかった―――
枢の気持ちを聞かされて・・・
それから夜に流れてきたのは枢と零の血の匂い
(どうして2人の血が・・・?)
それでも朝が来ると制服に着替えて学校に行く私
自分の真面目さが少し嫌になる
《ガラっ》
自分の席について回りを見渡しても・・・
零も優姫も見当たらなかった
(2人とも遅刻かな?)
そんな私に教えてくれたのは
「優姫は朝から頭痛みたい」
「あっ頼ちゃん、おはよう・・・」
優姫はきっと枢に言われた言葉に疑問を持ってるんだ
枢はヴァンパイアで―――今の優姫は人間だから
「優姫・・・大丈夫かな?」
「そうね、」
私と頼ちゃんの会話を遮るかのように入ってきた先生
「皆さん静粛に、さぁ貴方は自己紹介を・・・」
連れられてきた転入生は―――
「はじめまして、今学期からこちらの生徒になりました・・・」
笑顔で壇上から挨拶する彼は間違いなく壱縷で
(元老院は何を考えてるの?)
“兄とは理由あって別々に暮らしてきました”
“双子の片割れ錐生壱縷です。よろしく”
動揺していた私は優姫が教室に入ってきたことも壱縷が優姫に何か囁いたことも気付かなかった
指定された席に移動する途中、私と目が合って・・・
“後で、”
と言われてようやく我に返ることができた私