青い薔薇〈第一章〉
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気付いた時には俺達の生活に自然と入り込んでいた皐月
明るくて、優しくて、
常に笑顔を絶やすことない彼女
そんな彼女を好きになるのに時間はかからなかった・・・
俺は知らなかったんだ
あの日までは―――
――――――
――――
――
―
夜中に目覚めて喉が渇いた俺はキッチンに向かっていた
リビングから聞こえてきたのは・・・
「ねぇ、あなたからも2人に言ってくれない?」
「相手は子供なんだし・・・別に大丈夫だろ?」
両親の少し言い争うような声
内容は気にならないけれどさすがにこの中に入る気にはなれなくて飲み物は諦めて寝室に戻ろうとしたとき、聞こえてきたのは・・・
「見た目は子供でもあの子は純血種“玖蘭”の娘よ?」
俺も聞いたことがある吸血鬼の中に君臨する純血種の名前
それでも両親の会話の意味は理解できなくて今度のターゲットかな?なんて軽く思っていた俺は・・・
「でも皐月ちゃんは今、人間だろう?」
「あなた!!!」
最後に聞こえた言葉に驚いた
皐月が・・・純血種!??